でしょうけど、日本での乳歯そして第1大臼歯のむし歯罹患率が、先進国の中ではダントツに高いのは、
悲しい現実です

理由としては、欧米の「健康は所有するもの」とは違い、日本人の「健康は常に存在しているもの」という
健康観や、医療保険で歯科疾患のほとんどがカバーされる大変恵まれた制度が、逆に人任せといった
責任の転嫁になっているなど、いろいろ考えられます

乳歯の最大の役割は、あとに生えてくる永久歯へのスムーズなバトンタッチをするための場所の確保
ですが、乳歯が交換の時期より早くむし歯になってしまうと隣の歯が寄ってきたりしてその場所の確保が
できなくなり、いろんなトラブルを引き起こす歯列不正の原因になったりします

また乳歯がむし歯になるということは、その同じ口の中に永久歯が生えてくるわけですから、いくら永久歯に生え替わってから心を入れかえてしっかり磨こう、砂糖を控えようとしても生活習慣とか食生活といった
環境はそう簡単には変えられないので、永久歯も乳歯と同じ運命をたどることになるんです

日本では昔から子どもの歯が抜けると上の歯は縁の下に投げ捨て、下の歯は屋根に放り投げるという
風習があります

欧米にもこれによく似た風習があります

抜けた乳歯を枕の下に置いて眠ると、夜中に歯の妖精がやってきて、その乳歯と引き替えに金貨を
置いていってくれるというものです

ただし、その乳歯はむし歯になっていない健康な歯に限ります

もちろん、歯の妖精の正体は両親で、子どもに気づかれないようにそっと枕の下に乳歯と金貨とを
置き換えているわけですが。
当然、両親からの「日ごろから歯を大切にしましょうね」という強いメッセージがこめられています

歯科医療費がほぼ私費という背景があるにせよ、我われ日本人も見習うべきかもしれませんね
